米ニューヨークの国連本部前のビルで、大阪・関西万博向けに制作された大きなイラストが掲示されている。一見、平和そうに見える世界の中に、貧困や格差などが隠れていることを訴える作品だ。
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「世界に隠された20の悲劇」と題され、国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所が企画した。カラフルな色使いで多くの人々がともに暮らす日常が描かれている。よく見ると、気候変動や大気汚染、ジェンダーの不平等などといった「悲劇」の描写も隠れている。国連が取り組む世界の課題を、ゲーム形式で知ってもらう狙いがある。
万博に合わせて日本の広告会社とともに制作し、国連パビリオンで4月に展示した。小中学生を中心に来場者に好評だったこともあり、国連見学者や外交官らが多く行き来するニューヨークの国連前でも今月から掲示することにしたという。
UNDP駐日代表事務所のウェブサイト(https://www.undp.org/ja/japan)では、スマートフォンやパソコンに特化したバージョンを公開している。
UNDPのスーザン・ブラウン総裁補は「大阪では非常に人気だったと聞いている。描かれているのはいずれも国境を超えた問題。平和と世界の安定のために、皆で取り組む必要がある」と話す。ニューヨークでの掲示は8月中旬まで。